ニフレルと海遊館の運営主体は同じです。
そして、どちらも大阪にあります。

では、どうして、同じ大阪に
二つも同じ会社が運営する
水族館が必要だったのでしょうか?

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「海遊館が運営する、大阪にある水族館」
というイメージで捉えると
よく似て見える「ニフレル」と「海遊館」ですが、
実は、たくさんの相違点があるのです。

ロケーションの違い

海遊館の場所は、天保山。
すぐそばに海が広がっており、
たくさんのツアーバスが行き来しており、
遊覧船も就航しています。

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大阪の中心部から
少しはずれにあるイメージです。

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一方、ニフレルの場所は、
万博公園のそばEXPOCITY内。
モノレール沿線で、都心にほど近く、
すぐそばに何車線もある
名神高速道路が通っているせいか、
あるいは万博公園のイメージも手伝ってか、
街中に広がる広々とした場所
という印象があります。

海遊館の場合は、明らかに
水族館目的で訪れる人で
親子連れやカップルが多いです。

一方、ニフレルの場合は、
行きかう人の流れがより多く
年齢層も幅広い感じがします。

コンセプトの違い

水族館の集客力に影響する
ロケーションの違いも去ることながら、
やはり、一番注目すべき点は
水族館のコンセプトの違いではないでしょうか。

海遊館とニフレルは、同じ
“生き物を扱うビジネス”でありながら、
その魅せ方の方針が全く違うのです。

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出典:http://www.kaiyukan.com/topics/2015/07/topic_001668.html

海遊館には、巨大なジンベイザメが
悠々と泳ぐ様子を間近に眺めることができる
大水槽があります。

そして、その大水槽の周囲を
上から下に螺旋状に下る形で
見学路が整備されており、
「海上」「海面」「海中」「海底」を
ひとつの特大水槽を用いて紹介する
ダイナミックな展示方法が
採用されています。

上部は明るく、下は暗く、
カニやイカ、マンボウなどもいて、
見る側が海の中を歩いている気分に
浸ることができるのです。

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一方、ニフレルでは「インスタレーション」と
呼ばれる手法が、展示に取り入れられています。
インスタレーションとは、
体感型の現代アート作品に用いられる手法で、
「空間芸術」に近い意味を持っています。

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「installation」は和訳すると「設置」ですが、
この言葉は、現代美術においては、
1960年代以降、モノや素材を配置することで
空間をデザインする試みを表すために
用いられるようになりました。

集めた作品の配置をデザインすることにより、
鑑賞者が包まれるような空間を演出し、
作品と鑑賞者の精神的/体感的な一体感を演出する
というのがその目的。

インスタレーションは、
五感に訴えかける表現形式として今日
さまざまな可能性が試みられており、
ニフレル(NIFREL)が挑戦する
生き物の表現手段に関する試みも
まさにそのひとつと言えます。

一般的に、これまで水族館でメジャーだったのは
生き物の生態系をあるがままに近い状態で
見せるという展示手法でした。

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しかし、
ニフレルでは、今まで見たことのない
ような形の水槽や造形物が登場するとともに、
照明、映像、音楽とのコラボレーションが
目指されています。

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まるで、アートを楽しむように、
生き物や自然の魅力を直感的に、
より身近に楽しめる施設。

この点が、ニフレルが、
海遊館とも、そして他の水族館とも
大きく異なる点だと言っても過言ではないと思います。

イメージとしては、
海遊館の「新・体感エリア」を
さらにヴァリエーション豊かに
立体的に発展させた形。

かつて、水槽の中を優美に泳ぐ
美しい金魚の展示が話題を集めたことがありましたが、
そうした要素も、ニフレルのコンセプトに
加味されているかもしれませんね。

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